キレイ

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 年をとると美容というものに真剣に取り組むべきと実感するようになる。別に容姿を武器に生きている人たちとは違うから普通にしてても何の支障もないのだが、具体的にいろんな面で老化が如実に現れつつある近頃、あまり無頓着なのは人としてまずいのかもしれないと思うようになってきた。だが、今までの習慣はなかなか変えられるものではなく、どうしても続かない。以前はコンタクトレンズを入れていたので細部まで良く見えたが、ここ数年メガネ生活をしているので自分の細部を見なくて済んでいる。
 多分これから老眼になって遠くも近くも見えなくなっていって、ますます自分を遠景としても近景としてもソフトフォーカス入りで済ますようになり、記憶の自分というもう消失してしまった世界にとどまって暮すようになるのかもしれない。そして時々写真の自分を見てぎょっとし、傷つくのを避ける為に私の母親がよくやっていたように写真にだけは一切写らないようにしようとするようになる。いや、もう既にそうなっているか。
 でも、どうしても「健康」はともかく「美容」って気恥ずかしいんだよな。いつまでも「健康」でいたいってのは人に迷惑をかけないためにも立派な感じがするんだけど、いつまでも「キレイ」でいたいっていうのは、諦めが悪いガツガツした感じがするんだよな。そんなこといって気取っていられる状態じゃないとか、キレイってものに対する負け惜しみだってのは、わかってるけどさ。