子供のころ10年近くクラシックバレエをしていた。実際それはあまり良い思い出ではない。3歳よりも前にバレエ教室に入れられたので、物ごころついたらやっていた。お遊戯の延長だった時期を過ぎると、はっきりと下手さが露呈し始める。コンプレックスの塊。でも、「やめたい」と言い出せなかった。結局小学校6年まで言えなかった。親は、「この子、下手なのにバレエ好きなんだな」と思っていたらしいが。
妹はさっさと辞めたけれど、たぶん私よりうまかった。妹は成人してからバレエをもう一度習った。私はそれが信じられなくて、「なんで?」と聞くと、「やめたのを後悔しているから」と言っていた。
私は全くやめたことを後悔はしていない。でも、最近、「バレエのレッスン的な動き」をすると、とても体が気持ちがいいことに気がついた。もうすっかり体が硬くて普段姿勢も悪いけれど、記憶の中にあるバレエの動きをなぞると、何とも言えない心地よさを感じる。ストレッチとしての動き、というだけではなく、なんだかちょっとした嬉しさを思い出すのだった。
小さい頃は、きっとバレエが好きで踊るのが楽しかったんだと思う。上手だとか下手だとか人目を意識することのなかったころのように、ただ心地よさのためだけにもう一度バレエを楽しむことって、もうできないんだろうか。
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