ちょーだい

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 17年前、アルバイトしていたマーケティング事務所に、35歳くらいの事務員の女性がいた。見た目の印象は「水前寺清子」「十勝花子」「サザエさん」を連想する人だった。その人に対して別にこれといった感想もなかったのだが、ひとつだけ強烈に覚えているのは、アルバイトの女の子たちが自分たちで用意していたおやつを食べようとすると、必ず自らもらいに来た、ということだ。最初は快く分けていたその子達も、あまり毎回なので、そのうち、こそこそ食べるようになった。でも食べているのを見つけると、必ずもらいに来る。やっぱり「チョウダイ」っていわれたら、あげないわけにはいかないものな。大人だから。
 その人がおやつを提供していたかどうかはあまり記憶にないのだけれど、嬉しそうに食べている姿はいまだに忘れられない。当時、おばちゃんになるとああなるのか、やだなー、と思っていたそんな彼女の年を、もう余裕で越えてしまっているが。