奈良市立図書館は、貸し出す際に本と一緒に貸し出しリストを印刷してくれる。レシート程度の大きさの紙だ。書かれているのは「貸出日」と「利用者番号」と「書名」と「返却日」。多分それをしおり代わりにしている人が多いのだろう。借りた本に、誰かの紙が挟まったままになっていることがよくある。
そこには、その本を以前借りた人が、他にどんな本を借りたか、というのが書かれている。Amazon風に言うなら、「この本を借りた人はこんな本も借りています」という内容だ。私はそのリストを見つけると、ちょっと覗き見するような感じでどんな本を他に借りたのかをチェックする。そしてその人物像を想像してみたりする。
先日、池谷裕二著「進化しすぎた脳」という本を借りた。中高生と語る大脳生理学、という、柔らかめの脳科学の本だ。開くと1ページ目に、二つ折りになったこの紙が挟まっていた。前に借りた誰かのものだ。
その「誰か」はその本以外に4冊借りていた。具体的に書名はあげないが、キーワードはそれぞれ、「小出楢重」「美少年」「米ぬか」「園芸」。どんな人なんだろう。この利用者番号の人。自然派嗜好で芸術と美少年と脳科学に興味のある中高年女性?もしや男性?今まで見たいろんなリストより、すごく興味をそそるリストだ。
宮崎アニメで、図書館の貸し出しカードがきっかけで知り合う、というのがあったような気がする。最近はプライバシー保護がうるさいからそういう話はありえない、と思っていたけれど、うっかりを装って、あえて本に足跡を残しておくっていうのもありかもしれないな、と思った。私は通常恥ずかしい本ばかり借りているので、絶対にやらないけど。
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