マッサージ椅子は昔から憧れだった。試用できるマッサージ椅子のある電気店に行く度、遠慮がちに座って、慢性的な肩こりをほぐしていた。学生時代や、社会人でも寮暮らしの頃は、買う、という選択肢は全くありえない。だからいつも、客でないことを申し訳なく思いながら、店員の寄ってこない店を選んでは座っていた。
ある時期から、私は「フジ医療器」のマッサージ椅子ひとすじになった。フジ医療器の椅子がない小さい電気店だとひどくがっかりした。初めて「さざなみ」コースとであったときは本当に感動した。もみでもたたきでもなく、さざなみ。私のがちがちの背中と首に、さざなみだ。
もういい年なのに、こんなに長い間思い焦がれてきたもののひとつも買えないなんて哀しい、と最近思うようになった。どうしてもマッサージ椅子(心の呼び名はカタモミ椅子)が欲しい。
そして、最近は購入することを前提に、試用するようになった。客として、購入商品を検討する立場で偉そうに使える。それだけでも十分幸せ、かもしれない。
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