3月の休みの日、近場に1泊旅行に出かけた。そして宿泊先にいくつかあったクレーンゲームのうち、ある景品に吸い寄せられていた。タイトルは忘れたが、ケースの中にあったのは、レトロな雰囲気の赤と黒の犬。ぬいぐるみなどあまり可愛いと思うほうではないのに、なんだかケースの前を動けなかった。特に、赤の方は編みぐるみで、そちらにばかり心惹かれた。小学生の家族がもし欲しいといえば、がんばって取っていたかもしれない。でもその日、小学生は全くそのケースに興味を示さなかった。
何であの犬に惹かれたんだろう、と、思い、もう一度みてみたくて検索してみた。「クレーンゲーム 編みぐるみ」だと情報量が多くて見つけられない。あの雰囲気は「ロシア」だな、と「ロシア 編みぐるみ」などで検索しているうち、「ミトン」という名前にあたった。サイトを見て確認。確かに、ケースにこの少女のイラストがあった。私が見たのは、「ゲーム景品お座り中(赤)」だ。
他の商品も見てみたが、編みぐるみでないものには全く惹かれない。こういう赤い編みぐるみの犬と、幼い頃、何かあったのだろうか。とても懐かしくて体が反応してしまう。
手元に一枚だけ私が子供の頃の写真がある。その写真の私は、冬、母親の手編みの服を着て、やっぱり手編みのピンクのニット帽とマフラーをしている。全身母親の手編みだらけの格好で、全く疑うことなくこっちを見て笑っているその写真は、とても自分とは信じられない。普通に、何も疑うことなく楽しそうな笑顔をしている。
手編みの服は黒のワンピースだが、鍵編みの大きな赤いチョウチョがアップリケのようについている不思議な服だ。一種のオカンアートともいえる。でも、ちょうどこの若干朱色がかったレトロな赤が、あの編みぐるみの色に似ているようなきがする。だから、無性に懐かしいのかもしれない。
まあ、多分こじつけ。
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