図書館の決まりごと

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 奈良市立図書館に行くと、カバン・袋物はロッカーに入れましょう、という貼り紙が大きく貼られている。そして、みんな結構素直にカバンをロッカーに入れる。みんなお行儀がいい。
 あそこはあるとき急に、「カバン袋物はロッカー」というルールをかなり厳しく強要するようになった。神経質そうなおじさんが図書館内を巡回してカバンを持っている人を見つけては注意をしたり、入り口でじろじろと見張りをしたり、という厳しい取締りをはじめた。私はその人に注視されるのが嫌で、行く度緊張していた。さっさとロッカーに入れたり、ちょっと本を返すだけのときはコートの内側に小さいカバンが隠れるようにして見つからないようにしたりした。
 私が本を選んでいると、本棚の向こうでそのおじさんに若い女の人が注意されていた。カバンをロッカーに入れろというそのおじさんに、その女の人は「嫌です」といって抵抗していた。「これが無いと落ち着かないんです」「大事なものが入っているんです」「いつまでこんなことをするんですか!」と食い下がる。いくら大事なものが入っていても、決まりは決まりだからロッカーに入れろ、入り口には見張りもいる、と言い続けるそのおじさんとは平行線だった。見かねたのか近くにいた別のおじさんが「そんなこと言ったらあかんわ、みんなやっとるんやから」と女の人をたしなめる。結局その人が従ったかどうかまでは見届けていないが、少々ヒステリックに抵抗する声が印象深かった。どっちかというと私はあなたの味方。
 それからだいぶたった今、見張りのおじさんはいなくなった。でもあんなに厳しい取締りを経験すると、単に返却だけですぐ出るとしても、袋物は持ち込む勇気が無い。そしてロッカーには、「盗難事件発生、貴重品はロッカーに入れないように」と貼られはじめた。貴重品だけ、ちっちゃいかばんに入れて持ち込んじゃ、ダメ?