滑り台

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 うちの近所には公園が多い。少し歩くと公園があるといっても言いすぎでない。子供が少なくなっているせいか、中にはほとんど人を見かけない公園もいくつかある。遊具が平凡で、下が土で草という場所は「虫に刺される」「まむしが出る」と避けられる傾向があるようだ。人が寄り付かなくなるとますます草まみれになる。過供給のためか草刈りをする人もいない。
 比較的不人気な公園の向かい側に、広々とした草むらがある。高台から降りてくる細い路の左側の谷に、名前は知らないが葉のとても大きい背の高い植物が一面に生えている。その草むらを見下ろしながら私はその細い路を近道としてよく利用している。
 ここに住んでいる6年半の間に一度だけ、そこの草が刈られたことがある。そしてそのとき初めて気がついたのだが、そこは一部が公園なのだった。草が消えたら、錆びた滑り台が出現していた。
 しかし結局誰も利用しなかったのか、それから数年たった今、また同じその草がその公園を覆いつくしている。数日前まではかろうじて見えていた滑り台のてっぺんが、昨日通ったときは埋もれてしまっていた。この状態を見て、誰がここを公園だと気づくだろう。見えないけれど、確かにそこにあるのだ。滑り台。